奈良県森林技術センターが奈良県産の優良スギ材を用いて製作した「スギバイオリン」が、『ウッドデザイン賞2017』で入賞作品として選出されました。
今後最終審査が行われ、最優秀賞(農林水産大臣賞)、優秀賞(林野庁長官賞)、奨励賞(審査委員長賞)の各賞が、11月20日に発表されます。
■「スギバイオリン」とは
一般的に、バイオリンは、トウヒやカエデなど数種類の外国産材を用いて製作されます。これらの材料の中で特に、バイオリンの音の善し悪しを大きく左右する「表板」という部品に用いられる材料の選定は慎重になされています。この表板等に奈良県産の優良スギ材を用いたバイオリンが「スギバイオリン」です。
スギバイオリンの材料は、バイオリン製作者の見立てと、奈良県森林技術センターが実施した試験により選び抜き、樹齢約270年の優良スギ材により製作しました。
楽器完成後の試験の結果、スギバイオリンは通常の材料を用いて製作されたバイオリンと音響特性が同程度であるということがわかりました。
一般的なスギ材は振動が長続きせず、バイオリン表板には不向きとされてきましたが、まっすぐで緻密な年輪構造を有す奈良県産の優良スギ材だからこそ、通常材料と同程度の音響特性を発揮するバイオリンを製作することができたのではないかと考えています。
■「ウッドデザイン賞」とは
ウッドデザイン賞は、木の良さや価値を再発見させる製品や取組について、特に優れたものを消費者目線で評価し、表彰する新しい顕彰制度です。これによって“木のある豊かな暮らし”が普及・発展し、日々の生活や社会が彩られ、木材利用が進むことを目的としています。
※引用:ウッドデザイン賞|JAPAN WOOD DESIGN AWARD 2017