~奉納する問題は「大仏さまのお身拭いに必要な人数は?」~

公益財団法人日本数学検定協会は、2019年1月23日(水)に数学の額「算額」を、華厳宗大本山「東大寺」に奉納するための式典を執り行います。

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2019年東大寺算額イメージ


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「算額1・2・3」公式ホームページ


■1月23日は「算額文化を広める日」と定め、文化の普及を支援
当協会が算額を東大寺に奉納するのは今年2018年1月に引き続き5年連続5回めです。当協会は、毎年1月23日を「算額文化を広める日」と定めており、2019年も「算額文化を広める日」に算額を東大寺に奉納いたします。奉納した算額の問題の解答は公式ホームページ上で広く募集し、優秀な解答を2019年11月上旬に発表いたします。

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■古来の算額とは違う、問題のみを記した「出題形式」の算額
算額とは、江戸時代の日本で、数学者や一般庶民の数学愛好家たちが額や絵馬に数学の問題や解法を記して、神社や仏閣に奉納しあった歴史あるものです。古来の算額は、解けた喜びに感謝するために、問題だけでなくその解法も記して奉納していました。しかし当協会は、自ら考えて答えを導きだしてもらえるように、あえて問題のみを記した「出題形式」の算額を奉納しています。


■2019年の問題は「大仏さまのお身拭いに必要な人数は?」と「現実的で美しい灯籠の置き方は?」
今回も出題するのは2問で、1問めは「大仏さまのお身拭いを2時間で行うために必要な人数は何人か?」という問題です。東大寺では、毎年8月7日に僧侶などの奉仕者が集まり、大仏さまのお身体をきれいにする「お身拭い」が行われることから、この問題を考案しました。


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2問めは、「現実的で美しい灯籠の配置」を考える問題です。東大寺で毎年8月15日に実施される「万灯供養会(まんとうくようえ)」では、大仏殿のまわり(参道や前庭など)に2,500基ほどの灯籠が並べられ、大仏さまに灯火をお供えします。今回はその灯籠の現実的で美しい配置を考えるという問題を作成しました。
いずれの問題も、柔軟な発想やさまざまなアプローチを用いて、自由でユニークな解答を作ってもらうことをねらいとして出題しています。

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当協会は、主たる公益事業である「実用数学技能検定(算数検定・数学検定)」「ビジネス数学検定」の実施のほかに、今後も広く国民のみなさまに算数・数学を学習する大切さや、楽しさを伝える普及啓発事業を充実させていく所存です。


【奉納式典概要】
名称  : 東大寺 算額奉納式典
主催  : 公益財団法人 日本数学検定協会
協力  : 華厳宗大本山 東大寺
算額制作: 株式会社アストラカン、天法株式会社
開催日 : 2019年1月23日(水) 9:30~10:10
開催場所: 華厳宗大本山 東大寺 大仏殿
      (奈良県奈良市雑司町406-1)


【プログラム】
9:30~10:10 奉納式典
・盧舎那仏(大仏)礼拝
・主催者挨拶(公益財団法人 日本数学検定協会 理事長:清水 静海)
・東大寺関係者挨拶(華厳宗管長・東大寺別当:狹川 普文)
・算額奉納についての概要説明
・算額披露(奉納)
・写真撮影

10:10~10:30 質疑応答受付

※プログラム内容は当日変更される場合がございます。あらかじめご了承ください。


【実用数学技能検定について】
「実用数学技能検定」(後援=文部科学省)は、数学・算数の実用的な技能(計算・作図・表現・測定・整理・統計・証明)を測る記述式の検定で、公益財団法人日本数学検定協会が実施している全国レベルの実力・絶対評価システムです。おもに、数学領域である1級から5級までを「数学検定」と呼び、算数領域である6級から11級、かず・かたち検定までを「算数検定」と呼びます。第1回を実施した1992年には5,500人だった年間志願者数は、2015年以降は35万人を超え、また、2016年以降は実用数学技能検定を実施する学校や教育機関も17,000団体を超えました。以来、累計志願者数は560万人を突破しており、いまや数学・算数に関する検定のスタンダードとして進学・就職に必須の検定となっています。日本国内はもちろん、フィリピンやカンボジア、インドネシア、タイなどでも実施され(累計志願者数は30,000人以上)、海外でも高い評価を得ています。※志願者数・実施校数はのべ数です。


【ビジネス数学検定について】(当協会の行うその他のおもな公益事業)
「ビジネス数学検定」は、ビジネスの現場で必要となる実用的な数学力・数学技能を測定する検定です。実務に即した数学力を5つの力(把握力・分析力・選択力・予測力・表現力)に分類し、ビジネスのシチュエーションを想定した問題で、これらの力の習熟度を測定します。インターネット上で受検できるWBT(Web Based Testing)方式を採用。2006年に第1回を実施し、現在では企業の採用試験や新人研修、管理職登用試験などに活用する事例も増加しています。